慢性的にストレスをかけない

ダイエットは、いい意味でも悪い意味でも、ストレスの影響を強く受けます。
ストレスといっても、2種類あることをご存じでしょうか?

  • 短期的なストレス
  • 長期的なストレス

短期的なストレスとは、その場で発散するような種類のものです。
嫌なことがあると、その場で爆発させたりする人はこちらのタイプ。ストレスはすぐに解消されるのですが、急激に血圧が上がるため、心血管系に負担がかかるというリスクがあります。

ストレスに悩む女性

長期的なストレスとは、その場はじっとこらえて耐え忍ぶ種類のものです。周囲に合わせて、自分の感情を抑え込む傾向がある人は、こちらのタイプかもしれませんね。

長期にわたってストレスが解消されないまま、時間と共に蓄積していき、結局は爆発する危険性を秘めています。

こちらの長期的なタイプの人は免疫力が低下したり、内臓の機能が衰えるので病気にかかりやすくなります。さらに進むと脳に影響が現れて、記憶障害が起きたり、感情が鈍って無表情になることもあります。

長期的なストレスのほうが不利

さて、この2つのストレスをダイエットに当てはめると、どうなるでしょうか?

短期的ストレスでは、交感神経が優位になって、アドレナリンとノルアドレナリンが分泌されます。これらのホルモンは、脂肪分解酵素リパーゼに働きかけて、脂肪の分解を促進するため、ダイエットに有利になります。仕事でバリバリ頑張っている人は、いい意味での緊張感(ストレス)があり、消費カロリーも増えていきます。

いっぽう長期的ストレスは、頑張り屋さんのダイエッターに多いのではないでしょうか。
こういった人は、ダイエットで痩せるために極端な食事制限をして、食べたいものも我慢する傾向にあります。本当は甘いケーキや和菓子を食べたいけれど、痩せるために耐え忍ぶ。こうした毎日が習慣となり、慢性的なストレスが生まれます。この場合、短期的なストレスとは違ってアドレナリンはあまり分泌されないので、脂肪を分解してくれる酵素のリパーゼも、さほど活性化されません。

またダイエットには、食事制限以外に運動もありますよね?
熱心な女性は毎日、長時間のウォーキングやジョギングをしたりします。なかには、過激な筋トレをしている人もいるでしょう。激しいダイエットDVDを購入して、筋肉痛を我慢しながら、毎日欠かさず行なっている人もいるかもしれません。

この場合もダイエットで痩せるために、辛いエクササイズを「我慢して」続けているわけです。これがストレスを長引かせ、慢性化させることに。もし食事と運動のストレスが両方あれば、相当な負担になります。

慢性的なストレスと 「コルチゾール」

さてダイエットの観点で見た場合、短期的ストレスはプラスに作用し、長期的(慢性的)ストレスはマイナスに作用することが理解できたと思います。

それでは慢性的にストレスがかかると、どうしてダイエットに不利に働くのでしょうか?
それは、ストレスホルモンといわれるコルチゾールが関わっているからです。

人が長期的なストレスを脳で感じると、ACTHというホルモンが脳から分泌されます。それが左右の腎臓の上にある「副腎皮質」という場所に届いて、そこからコルチゾールが分泌されるのです。

コルチゾールの働きは、以下のようなものです。

  • 筋肉(たんぱく質)をブドウ糖に変換する (つまり筋肉が減る)
  • それによって、血糖値を上げる
  • その血糖を脳に送り込み、ストレスに対処する
  • 余ったブドウ糖は、内臓脂肪にため込む (つまり脂肪が増える)

コルチゾールは筋肉を分解する

このように、長期的にストレスがかかると、大事な筋肉がブドウ糖に変換されやすくなります。
そのうえ、急激に血液中に糖質が増えるため、反動で多くのインスリンが分泌されて、そのほとんどは内臓脂肪に蓄積されることになります。つまり分かりやすく書くと、こうなります。

  • 慢性的なストレス ⇒ 筋肉を脂肪に変える
女性の力こぶ

慢性的にストレスがかかると、脳の唯一の栄養源であるブドウ糖を、脳にたくさん送り込む必要が出てきます。ストレスに対処するには、脳をフル回転させなければならないからです。

そう考えると、ストレスがかかったときに、無性に甘いものを食べたくなるのもストレス反応といえるかもしれません。甘いものを補給すれば血糖値が上がって、脳にブドウ糖を送り込めるからですね。

血糖値が高くなると、膵臓から、一度に多くのインスリンが分泌されてきます。そうなると、ブドウ糖が脂肪にあふれやすくなります。

ゆっくりとコップに水を注げばこぼれませんが、一気に注ぐとこぼれてしまうようなものです。
こぼれた分が、脂肪に蓄積する分といったイメージです。脳に栄養を補給するために血糖値を上げたものの、ゆっくりではなく急激に増えるため、そのほとんどは脂肪細胞に蓄積されてしまうわけです。

というわけで、慢性的にストレスが掛かり続けると、どんどん脂肪が増えて太ってしまいます。
筋肉は基礎代謝の大半を占めるので、これが減少すると消費カロリーが少なくなります。そうなると、痩せにくい体質になってしまうことに。辛い食事制限やエクササイズを、我慢しながら頑張っていると、意に反して脂肪がつきやすくなるということですね。

ダイエット以外のストレスも要注意

ストレスを抱える女性

以上のことは、別にダイエットに限ったことではありません。
慢性的にストレスが掛かるとコルチゾールが分泌されるのですから、
ストレスの多い現代では、よくあることではないでしょうか?

人間関係の悩み(同僚、上司、友達、家族など)、受験勉強のストレス、仕事のストレスなどなど・・・。最近では就職や収入の悩み、リストラの不安といったところでしょうか。そのほか睡眠不足や、無理に早起きすることもストレスになり、コルチゾールの作用で高血糖になりがちに。

ダイエットですぐに結果が出ないと、それもストレスになり、コルチゾールの分泌を促すことになります。そうなると筋肉が分解されて、ますます脂肪が減らなくなります。それを苦にすると、ますますコルチゾールの分泌を増やす・・・という悪循環になってしまうことに。

これらの原則から考えると、炭水化物抜き○○や食抜き○○などの過激な食事制限が、いかに間違ったやり方かが分かるのではないでしょうか。カロリーも不足すれば、ストレスも慢性的に掛かるからです。
ダイエットだけではなく日常生活でも、できるだけストレスを発散させるように心掛けていきましょう。これこそが、体脂肪を減らしていくための、忘れてはならない重要なポイントになります。


とはいっても、女性にとって避けて通れないのが”生理というストレス”。
月経周期があるために、以上の注意点を守っていても、どうしても停滞する時期があります。
ということで次回は、「生理とダイエットの関係」についてのお話です。

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