体重より体脂肪率のほうが大事

体重計に乗る女性

ダイエットの成果は、どうしても体重で判断しがちです。
体重計に乗って針が少しでも減ると、「やった!脂肪が減った!」と喜んだりします。でも、これは正しいダイエット法から見ると間違った判断です。

なぜなら人の体の構成は、脂肪だけではないからですね。
そのほかに筋肉や水分、内臓、骨といったものがあります。ですから体重が減ったとしても、それは筋肉や水分、骨量が減っただけかもしれないのです。

もし筋肉が減っているのに、それを脂肪の減少と勘違いすると、とても怖いことになります。
本人は体重計の針が下がっているので、努力が報われた気がして、うれしくなります(このとき脳内には、快楽物質のドーパミンやβエンドルフィンが分泌されています)。そうなると気分が高揚してきて、「同じ方法で」ますます体重を下げたくなり、食事制限がどんどん加速していきます。

拒食症の危険性

食事制限が過剰になると、どんどん体重が落ちていきます。
脂肪とともに、筋肉や骨量も減っているからです。筋肉は脂肪よりも重いので、急激に体重が減るわけです。

本人は体重が落とせて喜んでいても、体のほうは悲鳴をあげています。
内臓や血管も筋肉でつくられているので、新陳代謝がうまくいかず、もろくなります。その結果、後遺症がでるほどの内臓疾患や、免疫力の低下によるガンなどの危険がでてきます。当然、風邪やインフルエンザにかかりやすい体質になります。

そのほか、こういった過酷なカロリー制限が加速していくと、自律神経の乱れから、あまり食べたくなくなって、摂食障害を引き起こす危険が出てきます。拒食症って聞いたことありますよね?周りから見ると、あきらかに病的に痩せ細っているのに、本人にはまったく危機意識がないのです。

拒食症の危険

いったん拒食症に陥ってしまうと、治すことは、なかなか困難だといわれています。明確な治療法も確立されていないのが現状です(もちろん不治の病ではないですが)。

同じ摂食障害に「過食症」があります。
これは食べたものを、わざと吐き出すような奇異な行動をしたりします。
拒食症も過食症も同じ摂食障害であり、どちらに転ぶかは人それぞれといわれています。進行すると、死に至ることもある怖い症状です。

このような危険な拒食症や過食症にならないためにも、また重大な内臓疾患を起こさないためにも、体重の低下にばかり目をむけないことが大切です。

ダイエットで目指すべきは、体脂肪率の低下です。
「体脂肪率」こそが現在の体脂肪量を指し示す、唯一の判断材料です。もし、まだ使用されていないのなら、
これからは、体脂肪率も計れる体重計に乗ることをオススメします。

体脂肪を減らすには?

体脂肪率を減らすには、食べないだけのダイエットでは難しいといえます。
なぜなら極端な食事制限だけに頼ると、「カロリー不足は筋肉を減らす」で解説しているように、どうしても筋肉が分解されてしまうからです。不足しているブドウ糖を補おうとするからですね。

筋肉量が少なくなるということは、基礎代謝量が減るということを意味します。
そうなると摂取カロリーのほうが上回りがちになるため、どんどん体脂肪が、たまっていってしまうのです。

また極端な食事制限をすると、体が飢餓状態になるために、脂肪をため込もうという働きが強くなります。
そのほか、食事制限自体が慢性的なストレスになるために、コルチゾールの働きによって、筋肉を分解する作用も活発になります。以上の三つの理由から、どんどん脂肪に蓄積されていくわけですね。

脂肪をつまむ女性

ですから、食事制限をして減量できたと喜んでいる女性は、実際には体脂肪が減っているのではなく、筋肉量が減少していると推測できます。

それは近い将来、リバウンドをまねく、非常に危険な状態にあるわけです。

モデルさんは脂肪が少ない、見事なプロポーションをしているものです。でも彼女たちは、極端に食べないダイエットによって、スリムな体型を維持しているのではありません。実際には、きちんと食べた上で、筋トレによって筋肉に刺激を与え、基礎代謝を上げる努力をつねに続けているのです。

こうした事実を知らずに、なんの根拠もなく、安易な考えで食事制限をしても、まったく意味はありません。
過激な食事制限によるダイエットをしていると、前述したように拒食症の危険があるので、注意が必要です。

体脂肪と体重の見方

体重計の針に変化はなくても、体脂肪率だけが下がるケースがあります。
この場合、脂肪は減っているのですが、筋肉量が増えたためにプラスマイナスゼロになったと考えられます。
これは大変好ましい状態といえます。筋肉量の増加によって基礎代謝量がアップしたのですから、いずれ体重の減少として現れてくるはずです。 (もちろん着目すべきは、体脂肪率ですが・・・)

注意点としては、一時的なむくみが体重や体脂肪率に影響することが多々あります。
むくむと、そのぶん体重が増えますが、これは単に水分が増えただけです。水分のせいで体重が増えると、体脂肪量に変化がなければ、全体の体脂肪率は減ることになります。これを、ダイエットの成果が出ていると、勘違いしないことが大切です。

たとえば生理中は、ダイエットの成果とは関係なく、体脂肪率が減りがちになります。
女性の場合、生理中は黄体ホルモン(プロゲステロン)の作用により、2キロ前後のむくみは普通に発生します。こういったことも加味して、体脂肪計を見ていくことが大切です。


以上のようにダイエットにおいては、体重よりも体脂肪率に注目すべき、というお話でした。
ところで、その体脂肪にも、皮下脂肪と内臓脂肪の2種類があることはご存じだと思います。内臓脂肪が多いと血糖値や血圧が上昇します。それを放置していると、いずれメタボリックシンドロームや生活習慣病の危険が出てくることに。ということで次回は、皮下脂肪よりも内臓脂肪に気を配っていきましょう、というお話です。

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