栄養バランスを心がける

栄養バランスの取れた食事

ダイエットというと、摂取カロリーを制限する女性が多く、
そうなると栄養バランスが崩れがちになります。

その結果、体がきちんと作られなくなったり、エネルギー代謝が滞ることに。そこで、ここでは各栄養素の役割を見ていきたいと思います。栄養素には大きく分けて、以下の3つの役割があります。

  • 体をつくる (主にたんぱく質から)
  • エネルギー源にする (主に糖質、脂質から)
  • 上の二つを円滑にし、調整する (ビタミン、ミネラル*から)

* ミネラルは体を作る材料にもなります (骨や歯のカルシウムなど)

栄養バランスが崩れると、上の3つのことがスムーズに行われなくなります。
すると、どうなるのでしょうか?まず新陳代謝が滞るので、骨がもろくなったりします。とくにたんぱく質(アミノ酸)は、筋肉の材料。これが不足すると、いくら筋力トレーニングに励んでも、あまり筋肉がつかなくなります。また、内臓がうまく作り変えられなくなるので、内臓を弱らせることに・・・。これらのことが重なって、基礎代謝が低下してきます。これでは、あきらかにダイエットで痩せるための障害になりますよね?

栄養バランスが崩れて、エネルギーをあまり得られなくなると、体が飢餓状態になります。
糖質が不足すると、脳にブドウ糖を供給できなくなります。そうなると貴重な筋肉を分解して、ブドウ糖を捻出します。脂肪の摂取が不足すると、脂肪を燃焼する役割がある褐色脂肪細胞を作れなくなります。またコレステロールが不足すると、細胞膜が弱ったり、やはり脂肪を燃焼する働きがあるDHEAが作られにくくなります。

ビタミンやミネラルは、それ自体、エネルギー源にはなりませんが、5大栄養素に含まれるほど重要な存在。そのなかでもビタミンB群は、糖質や脂肪、たんぱく質のエネルギー代謝に不可欠です。ということはビタミンB群(とくにB1・B2・B6)が不足すると、いくら糖質・脂質・たんぱく質をバランスよく摂っても、それをエネルギーとして利用できなくなるわけですね。糖質・脂質・たんぱく質・ビタミン・ミネラルの5大栄養素は、どれが欠けてもダイエットに支障が生じることが分かると思います。

食物繊維と水も大切な栄養素

食物繊維も栄養バランスに大事

そのほか食物繊維を加えて「6大栄養素」、水を加えて
7大栄養素」といいます。

食物繊維は体を作る材料やエネルギー源にはなりませんが、余分なコレステロールや脂肪、糖質の吸収を抑えたり、便を形作る役割があります。

緑黄色野菜には食物繊維が豊富で、ビタミンやミネラルも多いので、ダイエットには必要不可欠な食材といえます。

植物の成分(ファイトケミカル)には、活性酸素を撃退する抗酸化物質も豊富に含まれています。
これは植物の色素成分だったり、苦味成分だったりします。つまり色とりどりの野菜を食べれば、しぜんと抗酸化力が豊富な食材を摂取できるということになります。

抗酸化物質を摂ることは、一見ダイエットに関係なさそうですが、そうではありません。
悪玉コレステロールが酸化されないので、動脈硬化を阻止できます。ということは、常に血液がさらさらの状態であり、血行がよいということ。これが、基礎代謝や脂肪の燃焼効率のアップにつながっていくわけです。

水分は食べ物を消化するときに必要ですし、エネルギーを作り出すときにも不可欠です。
水分が不足すると血液がどろどろになるため、分解された脂肪酸が細胞に速やかに届かなくなります。
また細胞に届いたあとでも、水分が足りないと脂肪酸を効率よく燃焼できなくなります。つまり有酸素運動をしても、脂肪が減りづらくなるということですね。危険な脱水症状を引き起こさないためにも、とくに運動の前後には、水分の摂取を心がける必要があります。

以上のように、健康的にダイエットを成功させるためには、7大栄養素をしっかりと摂取することが大切です。

* 食べ物のなかにも水分は含まれています。食事中や食後すぐは、大量に水を飲まないほうがいいかもしれません。胃液や消化液が薄まってしまうからです。運動の前後や空腹時に飲むようにしましょう。一気に飲むと血液が薄まる危険があるため、小まめに少しずつ補給することがコツ。

必須栄養素は体内では作られない

人間の体内では合成することができないために、食べ物から摂取するしかない栄養素が「必須栄養素」。
ダイエットでは、極端な食事制限をする人が多くなります。でも、そうなると必須栄養素が確実に不足してしまいます。必須栄養素とは、以下のようなものです。

  • ブドウ糖 (脳のためには、1日に最低でも120グラムは必要)
  • 必須脂肪酸
  • 必須アミノ酸 (タンパク質が細かくなった形)
  • ビタミン (A、D、E、K、C、B群をはじめ、すべてのビタミン)
  • ミネラル (カルシウム・カリウム・マグネシウム・鉄・亜鉛・クロムをはじめ、すべてのミネラル)

ブドウ糖は、脳と赤血球の唯一のエネルギー源です。
ダイエットでは糖分が不足しがちですが、そうなると脳が飢餓状態に。一旦こうなってしまうと、いくらたんぱく質や脂肪をたくさん摂ってカロリーを増やしても、脳の飢餓状態は解除されません。ブドウ糖を摂取するまでは、どんなにたくさん食べようと、食欲が収まることはないのです。この点から考えると低炭水化物ダイエットは、いずれ食欲の抑制が効かなくなる、リバウンド必至の無謀なやり方であることが分かると思います。

必須脂肪酸とは、いわゆる多価不飽和脂肪酸と呼ばれるもので、不安定な構造の油です。
分子構造が不安定なので、常温では「液体の状態」になっています。これにはn-3系とn-6系の2種類があります。「n-3系の脂肪酸」(オメガ3)は、健康にいいと言われる、αリノレン酸や魚油のDHA、EPAをいいます。
「n-6系の脂肪酸」は、コーン油やサフラワー油などの植物性の油(こちらは取りすぎに注意が必要)。

こういった必須脂肪酸は、食事から摂取しないと体内で作られないので、食事制限をすると不足しがちになります。油抜きダイエットという無謀な方法を実践すると、極端に体内の脂肪分が不足してしまうことに。その結果、細胞や血管が弱くなったり、うつ症状を招いたり、かえって脂肪が燃えづらくなったりします。

必須アミノ酸は、植物性たんぱく質と動物性たんぱく質の両方から、バランスよく摂取することが大切。
ダイエットにおいては、アミノ酸は筋肉の材料として使われます。少食によって、もしも必須アミノ酸が不足すると、筋肉がうまく作られなくなります。その結果、基礎代謝が低下してしまうことに。

ちなみに食欲抑制に働くセロトニンは、アミノ酸のトリプトファンが原料です。
同じく食欲抑制に不可欠なヒスタミンは、アミノ酸のヒスチジンが原料となっています。そのほか、エネルギー代謝に不可欠な酵素は、アミノ酸から作られます。以上のことからアミノ酸が不足すると、ダイエットで痩せることができなくなるのは、一目瞭然ですね。

栄養バランスが崩れると飢餓状態に

一般的に飢餓状態というと、摂取カロリーが大幅に少なくなると引き起こされます。
たとえば、今の日本であれば遭難したときだったり、災害による避難生活のときだったりします。ダイエットによる極端な食事制限もそうですね。昔であれば、不作や食糧難のとき。食べるものが少ないので当然、栄養失調状態になり、体が飢餓状態になります。

飢餓状態にある女性

しかし、十分なカロリーを摂っていても、必須栄養素のうち、どれか一つでも欠けると「擬似飢餓状態」になります。「お腹いっぱい」食べていても、飢餓状態の場合があるわけですね。前述したように糖質(ブドウ糖)の不足は、脳にとっては常に飢餓状態です。
糖質の不足はダイエットにおいて、もっとも注意すべき点といえます。

そのほか必須脂肪酸、必須アミノ酸、ビタミン、ミネラルのどれか一つの成分が欠けるだけでも、体はうまく機能しなくなります。たとえばカルシウムが不足して擬似飢餓状態になると、非常事態であると脳は判断します。
すると食糧難に備えて、脂肪をあまり燃焼しないように、脳が指令を出すわけです。また、食べたものから最大限に脂肪を吸収しようとします。

ダイエットの食事法では食事制限が一般的ですが、これでは栄養バランスが崩れがちになります。
そうなると、どうしても摂取できない必須栄養素が出てきます。糖質不足は、もちろん脳にとって飢餓状態ですが、ほかの栄養素が欠けても「擬似飢餓状態」に。これは前述したとおりですね。食べないダイエット法は、体を飢餓状態にして、あえて脂肪を蓄えやすい体質を作るだけなのです。

ダイエットで痩せるには、まずは体を飢餓状態に置かないように、十分な摂取カロリーを摂るように心がけることが大事です。ただしその場合でも、5大栄養素のうちのどれかが欠けていると、飢餓状態と同じこと。
すべての必須栄養素を摂取して、栄養バランスを心がけることが、ダイエットの食事法の第一歩といえます。

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