食事の時間帯に気を配る

ダイエットで痩せるというと、どうしても食材とかレシピ、食べる量にだけ目が行きがちです。
でも、それに劣らずに大切な要素が、食べる時間帯。たとえ同じ食材を摂取しても、食事の時間帯によって、それが脂肪に蓄積されるかどうかが決まります。結論からいうと、以下のようになります。

  • 昼の3時に食べたものは、もっとも脂肪になりづらい
  • 夜の10時から夜中の2時に食べたものは、もっとも脂肪になりやすい
弁当を作る女性

昼は交感神経が活発で、夜は副交感神経が優位になるということも、もちろんあります。交感神経はアドレナリンとノルアドレナリンを分泌して、脂肪分解酵素のリパーゼを活性化させます。
そのため昼は、脂肪が分解・燃焼されやすくなります。

反対に副交感神経は、消化・吸収機能を活発にするので、エネルギーをため込む働きが強くなります。夜は副交感神経が優位になるため、太りやすい時間帯といえます。

睡眠中もふくめて、活動量の少ない夜間にエネルギーをため込み、活動量の多い朝から昼にかけてエネルギーを発散する・・・これは人が太陽とともに生活するうえで、理にかなっています。

さて冒頭に掲げた、脂肪の蓄積に関係する食事の時間帯ですが、
これには、交感神経と副交感神経という2つの自律神経のほかに、BMAL1(ビーマルワン)というホルモンも関わっています。

BMAL1とは?

BMAL1(ビーマルワン)とは、体内時計に関係する脳内ホルモンです。
人の体内時計は1日25時間といわれています。つまり自転周期よりも約1時間、体内時計のほうが長いわけですね。

もし体内時計のままに生活すると、毎日1時間ずつ、ずれていってしまうことに。
そうならないのは毎朝、太陽の光を浴びることによって、体内時計を24時間に修正しているからです。
この体内時計の修正にかかわるホルモンが、BMAL1です。

朝日

朝日を浴びて、BMAL1が体内時計を修正すると、
体温とホルモン分泌のリズムができあがります。

つまり朝から徐々に体温が上昇していって、夕方にもっとも体温が高くなります。

体温が最高に達する夕方は、免疫力と交感神経がもっとも活発なときなので、1日のうちで一番、脂肪が燃えやすい時間帯。
運動するならこのときです。

夕方に体温の頂点を迎えると、今度はだんだん体温が下がってきて、眠気をもよおしてきます。
また朝日を浴びてから14~16時間後に、睡眠ホルモンのメラトニンが分泌されるので、その作用も加わって眠くなってきます。

ただし、これは朝型の人の体内リズム。夜更かし癖のある夜型の人や、夜勤の人には当てはまりません。こういった人は、BMAL1の分泌リズムもずれ込むために、冒頭に掲げた原則は当てはまりません。
自分の生活リズムに当てはめて、食事の時間帯をずらして考える必要があります。

BMAL1は脂肪を蓄える

BMAL1(ビーマルワン)には、脂肪を蓄えようとする働きがあります。
BMAL1は朝の6時から急激に減り始め、昼の3時にもっとも分泌量が少なくなります。その後は分泌量が増えていき、夜の10時から夜中の2時にかけて、分泌量が最大になります。そのため、冒頭に掲げたようなことが起きるわけですね。

ですから昼の3時に食べたものは、もっとも脂肪になりづらいといえます。
「3時のおやつ」とはよくできたもので、昔の人は経験から知っていたのでしょう。ストレス解消にもなりますし、3時に間食を摂ることは理にかなっています。ただし食べすぎは禁物。洋菓子を少しつまむだけにしましょう。

ベッドと照明

反対に、夜の10時以降の夕食や夜食は、太る原因になってしまいます。それは副交感神経という観点からも、BMAL1という観点からもいえます。そのほか太る原因になる理由としては、寝るまでに、あまり時間がないためにカロリーを消費しきれない、ということもあります。

ですから、もし夜遅くに食べることになったら、お腹が落ち着くのを待ってから有酸素運動で消費し、それから眠りにつく、というテクニックも有効です。

このように夜10時以降に食べることは、BMAL1の観点からしたらタブーといえます。
そのほか深い眠りを得るためにも、寝る前の3時間(できれば4時間)は、食べないようにしましょう。
睡眠とダイエットには深い関係があるからです。浅い眠りにならないためにも、11時に寝るとしたら、8時以降は一切食べないということですね(もちろん水分はOK)。

なお、夜10時以降は脂肪になりやすいということは、朝型の人は、できれば夜8時までに夕食を済ませたほうがよいということです。なぜなら夕食を終えるのが9時だと、食後1時間経った10時では、まだ血糖値が高く、血液中にブドウ糖や脂肪があふれているからです。そうなると当然、血糖値を下げるためにインスリンも多く分泌されているはずなので、BMAL1の作用によって脂肪に蓄えられやすくなります。
夜10時以降がタブーということは、夕食は夜8時までに済ませたほうがよいということなのです。
(2時間はインスリンが分泌されていると考えた場合)

ただし夜型や夜勤の人の場合、前述したように、そもそもBMAL1の分泌リズムがずれています。
ですから、夜10時以降に食事をしたからといっても太ることはありません。この場合は、ご自分の生活リズムに当てはめて考えてみましょう。

朝と昼をしっかり食べる

BMAL1の原理からすると、以下のような食事の時間帯と分量が理想になります。

  • 朝食は、しっかりと食べる (糖質主体のもの)
  • 昼食は、ボリュームのあるものに (脂肪分が多くてもOK)
  • 昼の3時に、間食でおやつを少量だけ食べる
  • 夕食はカロリーを控えめにする (脂肪を控えめに。血糖値をゆっくり上げる)
  • 夕食後は食べない。もちろん水分はOK

朝食抜きダイエットという方法がありますが、いかに間違ったダイエットの食事法か分かると思います。
朝は比較的太りづらいのですから、朝食をしっかり食べないと損ですよね?もし朝食を抜くと、昨日から食べていないので低血糖状態がつづきます。そうすると脳へのブドウ糖の供給が不足するため、昼まで食べ物のことばかり考えることに。もちろん、頭もうまく働きません。

また朝食を摂らないと体温が上がらないので、免疫力が低下して、病気やガンにかかりやすくなります。
体温が低いと、それだけ消費カロリーも少なくなるので、基礎代謝が低下してダイエットには不利になります。

食べたいものは、昼食で思う存分食べることがコツです(もちろん限度はありますが)。
脂っこいものや、カロリーが多いけれど大好きな料理は、昼に食べましょう。

昼の3時は、BMAL1の分泌量がもっとも少ない時なので、好きなお菓子を少しだけ間食します。
これはストレスの解消にもなりますよね?ストレスが多いと脳内にドーパミンの分泌が増えて、夕食時にドカ食いしてしまう危険がでてきます。間食には、それを抑える効果もあるわけです。

夕食の食べ方を工夫する

夜間はBMAL1の分泌量が多いので、脂っこいものはできるだけ避けたいものです。昼間に食べましょう。
夕食には、タンパク価の高い大豆を含む「納豆」が、とくにオススメ。夕食でタンパク質を多く摂れば、寝ているあいだに、筋肉などの材料になりやすくなります。また、夕方に筋トレをするなら、運動後のプロテイン代わりにもなります。

夕食では食事量を控えるのではなく、ゆっくりと血糖値を上げるように心がけます。
炭水化物を減らさなくても、ゆっくり小腸壁から吸収させることで、脂肪になりづらくなります。それには、水溶性食物繊維を含んだ食材を取り入れることがコツ。そうすれば小腸内で、食物繊維が糖質をからめ取ってくれるので、小腸壁からゆっくりと吸収されていきます。そのほか、余分な脂肪やコレステロールがあれば、それも排出してくれます。

さらに、硬い野菜(不溶性食物繊維)をよく噛んで食べれば、咀嚼(そしゃく)の効果によって、ヒスタミンが脂肪を分解・燃焼してくれます。

このように、夜間は太りやすい時間帯ですが、だからといって食事量を減らしすぎてはいけません。
なぜなら朝食までエネルギーが持たなくなって、筋肉を分解してしまう危険があるからです。夕食時は、むしろ炭水化物を十分に摂るべきです。カロリー控えめにすべきなのは、脂肪分です。そのため夕食時は、脂肪の多い肉類はできるだけ控えるようにします。ただ、魚に含まれる脂肪は良質で、ダイエットに役立ちます。

夜更かししていると、お腹が空いてきて、夜食に手が出てしまいがちになります。
ですからダイエットで痩せるためには、早めに就寝することが大切。そして早起きして、朝日を浴びる習慣をつけることです。これが朝型の体質をつくり、BMAL1のリズムを定着させることにもなります。

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