お腹が空いてから食べる

食事の準備をする女性

ダイエットで痩せるためには、お腹が空いてから食べる習慣をつけることが大切です。

理想的なパターンとしては、朝起きて、まずは朝食をしっかり摂ります。
その後は食べものを一切口にしないで(水分はOK)、昼食をしっかり食べます。そして午後3時には、おやつ(間食)を少量だけ摂ります。このときに甘いお菓子などを楽しみ、ストレスを解消。

そのあとは一切食べ物を口にせず(水分はOK)、夕食はカロリー控えめにします。夕食は、最低でも寝る3時間前までに済ませ、夕食後は水分以外は一切摂らないようにします。
まとめると、以下のように食べることが理想です。

  • 朝食をしっかり摂る
  • 昼食をしっかり摂る
  • 午後3時に少しだけ間食を摂る
  • 夕食を控えめに摂る

これから、その理由を解説していきたいと思います。

空腹信号を受け取ろう

ある程度、食事同士の間隔を空けることによって、食べたものが脂肪にたまりづらくなります。
とはいっても1日2食のように、食事の間隔を極端に空けすぎることは、よくありません。体が飢餓状態になるため、脂肪を蓄積しやすくなるからですね。相撲取りの食事法は1日2食なので、容易に想像がつくでしょう。

かといって食事回数が多すぎても、もちろん体脂肪にたまりやすくなることに。
1日4食(3食+間食)は習慣の問題ですから、空腹に慣れていない人は、最初のうちは意識する必要があります。でも、だんだん空腹感に慣れてきて、それを楽しめるようになるものです。

これは決して、食べたいのを我慢する食事制限とは違います。
食事制限というのは、食事を抜いて1日2食にしたり、1食分の摂取カロリーを過剰に制限したりして、「自然な食欲を無視して抑えつける」ことです。でも、ここで強調している空腹感というのは、飢餓状態にまで行かないレベル。お腹が空くということは、脳が空腹信号を発しているからです。それは、血糖値が低くなっていることを知らせる警告であり、脳が食事を欲している合図です。

本当の空腹」を見極められるようになるためにも、食事の間隔をある程度、空けることは大切です。
いわゆる「口さびしい」という状態は、単に食べ過ぎに慣れてしまっているだけです。言ってみれば、本当の空腹信号を受け取る”受信装置”が鈍っている状態。「本当の空腹信号」を見逃さず、”本当に必要なときだけ食事を摂る”ことが、ダイエットで痩せるためのポイントといえます。

肝臓のグリコーゲンを意識しよう

「お腹が空いてから食べましょう!」と言われても、当たり前のように聞こえるかもしれません。
それは単に1日の総摂取カロリーを減らすという意味のほかに、このほうが体脂肪に蓄積しづらいからです。

肝臓の位置

このことは、肝臓にあるグリコーゲンタンクの貯蔵量を意識することによって、納得がいくはずです。

人間が食べたものは、胃や小腸で消化・吸収されると、やがて血液中に取り込まれます。すると膵臓からインスリンというホルモンが分泌されてきて、各細胞に運ばれていきます。そこで酸素と反応して、エネルギー源になるわけですね。

しかし、血液中に流れているブドウ糖のすべてが、その場ですぐに細胞内で利用されるわけではありません。
家庭でも、手軽にミネラルウォーターを飲める「ウォーターサーバー」ってありますよね?要はこれと同じ原理です。

まずはミネラルウォーターをタンクにためておいて、そこから水を小出しにして飲むわけです。これと同じようなことが、グリコーゲンタンクでも行われています。

血液中のブドウ糖 →  肝臓のグリコーゲンタンク →  少しずつ血液中に放出

食事から摂取した糖分は、ブドウ糖となって血液中に流れます。その場で筋肉細胞に利用されるとともに、余った分は、筋肉や肝臓内にあるグリコーゲンタンクに貯蔵されます。食後にグリコーゲンタンクを満タンにすることによって、そのあとウォーターサーバーのように小出しにして消費していくわけですね。食後数時間はお腹が空かないのは、グリコーゲンタンクからブドウ糖を小出しにして、血糖値を維持しているからです。

こうして食事の直後は、糖質がグリコーゲンタンクを満たしますが、ここに納まりきれない、行き場を失った糖分が「脂肪細胞という貯蔵庫」に蓄えられることになります。もちろん脂肪は、すべて直通で脂肪細胞に行きます。しかしブドウ糖の場合は、一旦グリコーゲンタンクに収納され、そこに収まらない分だけが脂肪細胞に蓄積されます。こうした原理から、一度に糖分を摂りすぎると脂肪にたまってしまうと言われるわけですね。

血糖値の維持には、肝臓のグリコーゲンを使用

ちなみに筋肉内のグリコーゲンタンクには約1000kcal、肝臓内のグリコーゲンタンクには約400kcal収納することができます。筋肉内のグリコーゲンは血糖値の維持には使われず、もっぱら筋肉を動かすために使用されます。筋肉内のグリコーゲンを血糖値の維持のために切り崩してしまうと、たとえば外敵に襲われたときに、闘ったりダッシュして逃げるパワーが出ませんよね?人間に当てはめると、災害時に動けないと困ります。それでは命に関わるので、筋肉のグリコーゲンに関しては、運動するときにのみ使用されます。

血糖値の維持には、肝臓内のグリコーゲンを使用します。
だいたい13時間は持つといわれています。完全に底をついてから空腹感が出てくるのではなく、かなり余裕のあるレベル(食後4時間くらい)でお腹が空いてきます。これは冒頭で述べたように、「食事を摂るように!」という脳からのシグナル。つまり「肝臓のグリコーゲンが減ってきている。このままでは血糖値を維持できなくなる危険があるので、早めに食事で補って欲しい」と脳が訴えているわけですね。

血糖値を常に一定レベルに維持しなければならないのは、筋肉のエネルギーにするためではありません。
ブドウ糖を、脳と赤血球のエネルギー源にするためです。このふたつにとっては、ブドウ糖が唯一のエネルギー源です。脳を機能停止することは死を意味します。そのため、肝臓のグリコーゲンタンクが底をつきそうになると、ものすごい空腹感と食欲が湧いてくるわけです。

ちなみに血糖値が上昇すると、前述したように膵臓からインスリンが分泌されてきます。
それによって体にエネルギーを蓄えるわけですね。いっぽう空腹になると、同じ膵臓からグルカゴンという、インスリンとは正反対の働きをするホルモンが分泌されます。これは、肝臓のグリコーゲンを分解してブドウ糖を血液中に放出したり、脂肪細胞を分解する働きを持っています。

つまりダイエットにおいては、インスリンを出しすぎると不利に働き、グルカゴンを味方につけると有利に運んでいけるわけですね。お腹が空いてから食べることをオススメするのも、その間にインスリンが鎮静化し、代わりにグルカゴンが分泌されてきて、脂肪細胞を分解してくれるからです。

満腹状態で食べる習慣があると・・・

以上の説明で肝臓のグリコーゲンを、かなりイメージできるようになったと思います。
ところで満腹状態にもかかわらず、さらに食べる習慣があると一体どうなるでしょうか?満腹ということは、肝臓のグリコーゲンタンクが満杯の状態。ですから、この状態から食べた糖分は、すべて脂肪細胞に蓄えられてしまいます。肝臓のグリコーゲンタンクに収まりきれないからですね。

甘いケーキ

たとえば同じケーキを食べるのでも、ある程度の空腹感がある状態(グリコーゲンタンクに空きスペースがある状態)なら、そのなかに収まります。つまり、脂肪になりづらいということですね。

でも「甘いものは別腹」とか言って、満腹感を得た食後に食べてしまうと、ケーキの栄養がすべて脂肪に変わってしまうことに・・・。

これは食後のデザートばかりではありません。
1日中、飴をなめたり間食をひんぱんに摂っていると、肝臓のグリコーゲンタンクは、常に満タン状態。
そうなると、すぐにタンクからあふれ出てしまうために、食べた分がすべて中性脂肪になるのです。いったん脂肪に蓄積されると、減らすまでに長い月日がかかってしまうので要注意です。

飴をなめる程度なら大丈夫と思っても、そのつどインスリンが分泌されていれば、グルカゴンの働きを阻害してしまいます。両方のホルモンが同時に分泌されることはないからです。インスリンは栄養を体にたくわえる働きをするので、分泌させるのは食事のあとだけにしておいたほうが無難です。完全な空腹状態になれば、グルカゴンが優位になって、せっかく脂肪細胞を分解・燃焼してくれるのに、飴玉をなめるのはもったいないですよね。

食後数時間は、一切食べない習慣をつけることが大切です。
これが一旦習慣になれば、空腹感を楽しめるようになります。つまり空腹が苦痛ではなくなってきます。
むしろ、「今、膵臓からグルカゴンが分泌されてきて、私の脂肪を盛んに分解・燃焼してくれているわ」と考えると、楽しくなりますよね?ただし、くれぐれも飢餓状態に足を踏み入れてしまうと、かえって脂肪が減りづらくなることだけは忘れないようにしましょう。

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