食物繊維を活用する

野菜を持つ女性

食物繊維が多い食品を摂取することは、ダイエットにとって大変重要です。カロリーが多めでも、食物繊維を摂ることによって、小腸での吸収をある程度、抑えてくれるからです。
ふつうに食べていても、摂取カロリーを少なくできるわけですね。

そのほか食物繊維には、胃を膨らませる効果があったり、よく噛む必要があるので食欲の抑制にも役立ちます。便秘の改善にも効果的。

小さな差かもしれませんが、食物繊維を食べる習慣がある人とない人とでは、脂肪の蓄積の面で、かなりの差が出てくることになります。食物繊維は大きく分けて2種類あります。

  • 水溶性食物繊維
  • 不溶性食物繊維

水溶性食物繊維とは、その名のとおり、水に溶ける性質があるタイプです。
不溶性食物繊維とは、その反対に、水に溶けないタイプ。ダイエットにとっては、どちらが大切ということではなく、もちろん両方をバランスよく摂取することが基本になります。それぞれに異なったよさがあるからです。

水溶性食物繊維の効用

水溶性食物繊維のわかめ

水溶性食物繊維には、アルギン酸、ペクチン、グルコマンナン、フコイダンなどがあります。
これらは海藻類や果物などに多く含まれています。
海藻類でいうと、昆布やわかめなどですね。

寒天は「てんぐさ」などを凍結・乾燥させたものですが、これも水溶性食物繊維の仲間です(寒天には不溶性の食物繊維も含まれています)。
ちなみにグルコマンナンとは、こんにゃくに含まれる成分、ペクチンは果物(りんごなど)に含まれる成分になります。

水溶性食物繊維は水に溶ける性質があるため、水分を多く含んで吸収し、膨れ上がる特徴があります。
ですからお腹に入ると、何倍にも膨れ上がる嵩効果があるわけです。そのほか、ねばねばした性質があるため、(ゲル状になって)小腸内をゆっくりと進んでいきます。以上の性質から、水溶性食物繊維を多く含む食品は、以下のような面でダイエットに役立ちます。

  • 胃の中で膨れるので、満腹感を覚える
  • 小腸内で、脂肪やコレステロールを吸着して、そのまま排出してくれる
  • 小腸からの糖質の吸収を遅らせるので、血糖値の急激な上昇を抑えてくれる
  • 大腸内で善玉菌のえさになり、腸内環境を整えてくれる
  • 便を軟らかくするため、便秘の予防・解消に役立つ

水溶性食物繊維が多い食品をダイエットに役立てるには、食事の最初に食べることが大切です。
そうすれば胃の中で水分を吸って、何倍にも膨れ上がります。これが食欲の抑制に作用するわけです。
寒天にいたってはノンカロリーなうえ、100倍にも膨れ上がるといわれています。ただし寒天ばかりを食べていると脱水症状を起こすことがあるうえ、栄養不足になるので注意が必要です。少量の活用にとどめましょう。

水溶性食物繊維の注意点

ダイエットにとって、いい事尽くめのように見える水溶性食物繊維ですが、注意点もあります。
それは食事の最初に、水溶性食物繊維だけを大量に食べてしまうと、メインの食品が食べられなくなり、
栄養不足になってしまう
ということ。必須栄養素が足りなくなって、極端なカロリー不足に陥ります。

寒天のような食材でお腹をふくらませて満腹感を得ても、脳にはブドウ糖が不足するので、その場限りの満腹感になります。結局は、低血糖を感知した脳の「摂食中枢」が頭をもたげてきて、耐え難い食欲が湧いてくることに。そのうえ「カロリーが不足すると筋肉を減らす」で解説しているように、ブドウ糖が不足すると、貴重な筋肉を分解し始めます。すると基礎代謝が下がってきて、太りやすい体質になってしまいます。ですから腹八分目を実現するために、食事の初めに少量だけを食べるというスタンスが望ましいのではないでしょうか。

そのほか、水溶性食物繊維を食べ過ぎると、かえって大切な栄養素までも吸収して、排泄してしまう危険があります。たとえば、ビタミンやミネラルまで吸収してしまうなどです。ですから寒天ダイエットなどを過激にやりすぎると、栄養不足に陥る危険があります。摂りすぎは危険ということですね。

ビタミンB1やミネラルのクロムが不足すると、糖質を代謝できなくなって、脂肪に蓄積されやすくなります。
またビタミンB2が不足すると、脂肪酸を燃焼できなくなります。そのほか亜鉛、ビタミンB6が不足すると、アミノ酸からたんぱく質を合成できなくなるので、筋肉が作られなくなり、基礎代謝量が減少します。
その結果、太りやすい体質になり、肌荒れ、冷え性、むくみなどを引き起こす原因になってしまいます。

不溶性食物繊維の効用

不溶性食物繊維

不溶性食物繊維は、野菜や根菜類、玄米、大豆などに多く含まれています。
見た目が”ぱさぱさ”していれば不溶性、水分を含んでいれば水溶性という違いがあります。

不溶性食物繊維は水分を含まないため、水溶性食物繊維のような吸収阻害効果はありません。
その代わり、以下のような効用が期待できます。

  • 硬いので、よく噛む必要がある ⇒ 食欲の抑制
  • 胃がある程度膨れるので、満腹感を覚える ⇒ 食欲の抑制
  • 便の嵩(かさ)を増やす ⇒ 便秘の予防・解消

不溶性食物繊維は比較的硬いので、必然的によく噛む必要があります。
そうなると、血糖値が上昇してくるまでに食べ過ぎる、という危険が減ることに。また咀嚼の運動は、脳内にヒスタミンとセロトニンを分泌させ、満腹中枢を刺激します。よく噛んで食べることには、内臓脂肪を分解・燃焼する効果もあります。とくにメタボリックシンドロームの人は、不溶性食物繊維を食べることをオススメします。

不溶性食物繊維は、水溶性のように水分を含まないので、胃の中で何倍にも膨れるということはありません。そのかわりキャベツやレタスなど、食材自体のボリュームを増やすことができます。そうすると視覚的な満足感が得られますよね?なんとなく満たされた気になってくるものです。

しかも、こういった低カロリーの野菜を、食事の最初に食べることによって、ある程度お腹が膨れるので、食欲を抑制することができます。緑黄色野菜にはビタミンやミネラルも多いので、ダイエットに役立ちます。
ただし、これも食べすぎは禁物。あまりに食べ過ぎてしまうとメインのカロリーを取れなくなり、栄養不足に陥ってしまうからです。

2つの食物繊維が便秘を解消

盛り付けた野菜と女性

不溶性食物繊維は、小腸では、とくに仕事をせずに素通りします。
本領を発揮するのは、大腸に入ってからです。

不溶性食物繊維には、小腸で消化した後の残りかすを固形に固める役割があります。もし不溶性食物繊維を摂らないと、水分状の”おかゆ”のような軟らかい便のままです。そうならないのは、不溶性の食物繊維が固めてくれているからです。

さらに不溶性食物繊維は、水に溶けずに繊維の形をずっと維持しているので、それが大腸壁を刺激します。すると大腸が活発に動きだし、固形になった便を押し出していきます。

このように不溶性食物繊維の多い食品を摂取することは、便を作ったり押し出す働きを活発にすることになります。これは便秘の予防に、とても効果的です。
もちろん水溶性食物繊維も、便秘の解消には不可欠です。水分を含むため、ある程度、便を軟らかくしてくれるからです。便はカチカチでも、いけないわけですね。現在、便秘の人は両方の食物繊維を摂れば、便秘の解消に役立ちます。女性の約6割が、便秘だったり、便秘がちで悩んでいるといわれています。

便秘をほうっておくと、大腸にガスがたまり、悪玉菌が優位になります。
すると、悪玉菌の発する毒素が大腸の壁から吸収されて、全身の血管を回ることに。これが肌荒れや口臭、冷え性などの原因になったりするので、便秘の放置はとても危険。大腸は免疫とも関わっているため、大腸の環境が悪くなると免疫力が低下して、大腸がんなどの危険も出てきます。そうならないように、2種類の食物繊維を毎日摂取していきましょう!

* ちなみに納豆には、水溶性と不溶性の両方が含まれています。

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