バナナの栄養素

ダイエットに役立つバナナ

バナナは一見、カロリーが多そうですが、じつは1本が約86kcalと低カロリーの食材です。
しかも、健康とダイエットに大切な栄養素が凝縮されているので、間食に最適といえます。

朝バナナダイエット」というものが流行りましたが、これは胃腸を休めることを目的に、他の食品とバナナを置き換える、いわゆる単品ダイエット。

水のみを併用したり、好きなだけ食べてOKというものですが、もちろん食べ過ぎれば太ってしまいます。
また、いくらバナナの栄養価が高いからといって、バナナにも不足している栄養素はたくさんあります。
それだけしか食べていなければ、健康を害してしまうことに。

バナナ単品だけに頼るのではなく、他の食事からの不足分を補うために、バナナを活用することが賢明です。バナナに含まれている栄養素には、以下のようなものがあります。

  • 豊富な糖質 ・・・ ぶどう糖、蔗糖、果糖
  • カリウム ・・・ 余分な塩分を排出する。1日分の量が含まれている。高血圧の予防・改善
  • オリゴ糖 ・・・ 善玉のビフィズス菌を増やし、腸内環境を整える。便秘や下痢の解消
  • トリプトファン ・・・ セロトニンの原料。食欲抑制に働き、うつ病を予防する
  • ヒスチジン ・・・ ヒスタミンの原料。食欲を抑制し、消費カロリーをアップさせる
  • ビタミンB6、マグネシウム ・・・ セロトニンの合成に必要な栄養素
  • 食物繊維 ・・・ ほとんどが不溶性食物繊維。便秘の解消効果。少量の水溶性食物繊維も
  • ビタミンB群 ・・・ B1、B2は、糖質の代謝を促す。体内でエネルギーになりやすい。葉酸も

そのほかバナナの栄養素には、赤ワイン1杯分に匹敵する量のポリフェノールが含まれています。
これには抗酸化力があり、バナナに含まれている抗酸化物質のビタミンCとの相乗効果で、体内の活性酸素を撃退します。これが悪玉コレステロールを減らし、動脈硬化の予防に役立ちます。バナナには、鉄、亜鉛、銅、マンガン、βカロテン、ビタミンEなども含まれており、ビタミンやミネラルのバランスがよいことが特徴となっています。

バナナの特徴

前項では、バナナの栄養素を中心に解説しました。
ここでは別の観点から、バナナのメリットを見ていきましょう。バナナには、以下のような長所があります。

  • 間食に適している ・・・ 低エネルギーで、しかも満腹感がある
  • 腹持ちがいい ・・・ 様々な糖質が、次々にエネルギー源になる。ビタミンB群も協力
  • 栄養価が高い ・・・ 災害時の非常食としても優れている
  • 持ち運びが楽 ・・・ ハンドバッグにも入るサイズ。バナナケースも販売されている
  • 値段が手頃 ・・・ スーパーやコンビニで1年中、安く売られている

バナナは冒頭で述べたように、約86kcalと低カロリーです。これは、おにぎり半分程度のカロリー。
ですから小腹が空いたときに、ちょっと食べても、それほどのカロリーにはなりません。しかも食物繊維が含まれているので、お腹も膨れて腹持ちがいいのです。

皮をむいたバナナ

そのほかバナナの栄養素には、冒頭に掲げたように様々な糖質(炭水化物)が含まれています。ぶどう糖は、比較的すみやかに吸収されてエネルギー源になります。蔗糖や果糖は、ゆっくりエネルギーに変わっていきます。

糖質をエネルギーに変えるビタミンB1やB2も含まれているので、バナナはエネルギー補給に優れた食材といえますね。

ですから、バナナの食物繊維でお腹が膨れるだけではなく、エネルギーの変換がスムーズで、それが長時間持続するという点からも、腹持ちがよく、しばらくは空腹にならずにすみます。そのため、スタミナが必要なスポーツ選手に適しています。また、腹持ちがよいうえに栄養価も高いため、災害時には大変重宝します。

バナナの栄養素・オリゴ糖

バナナには、トクホ(特定保健用食品)で知られているオリゴ糖も含まれています。
オリゴ糖には明確な定義はないのですが、小糖類であって、しかも体内の消化酵素では分解されない難消化性のものをいいます。そのため、胃や小腸で消化吸収されずに、大腸まで届くことが特徴になっています。

バナナの栄養素・フラクトオリゴ糖は糖質の仲間ですが、食物繊維のように消化・吸収されないので、血糖値は上昇しません。この点からも、ダイエット向きの糖分といえるでしょう。

さて大腸まで、そのままの形で到達したオリゴ糖は、善玉菌であるビフィズス菌のエネルギー源(餌)となります。ビフィズス菌はストレスなどで減少しやすいのですが、オリゴ糖を与えることによって元気になり、増殖していくのです。

すると、活発になったビフィズス菌の作用により、さまざまな健康効果が期待できます。
ビフィズス菌は腸内でビタミンB群を作り出したり、大腸の蠕動運動を活発にして、便通をスムーズにします。これが便秘や下痢の解消に役立つことに。バナナの栄養素には不溶性の食物繊維も含まれているので、
オリゴ糖と相乗効果になって、よりいっそう便秘の改善に効果を発揮します。

このように、オリゴ糖によってビフィズス菌を活性化させると、腸内環境がよくなります。
すると悪玉菌の勢力が弱まり、毒素を出さなくなります。今まで悪玉菌の毒素が全身を回って、肌荒れをおこしていた人は、バナナの栄養素・オリゴ糖を摂取すれば、肌荒れが解消するというわけですね。美白・美容に役立ちます。また腸管の免疫力が高まるので、最近増えている大腸がんの予防にもなります。

バナナのたんぱく質・トリプトファン

バナナの束

バナナの栄養素には、もう一つ、トリプトファンという重要な成分が含まれています。これはダイエットで痩せるためには、絶対に欠かせません。

トリプトファンは肉類や牛乳、大豆などにも含まれている必須アミノ酸。「必須」ということは、体内では合成できないので、食べ物から摂取する必要があります。

トリプトファンは体内に入ると、神経伝達物質のセロトニンに変換されます。
セロトニンは、咀嚼などの単調なリズム運動や、血糖値の上昇とともに分泌され、満腹中枢を刺激します。
セロトニンが分泌されて、はじめて満腹感を覚えるというわけですね。

ところが食事からトリプトファンを摂らないと、体内でセロトニンが作られないので、食欲を抑制できなくなってしまいます。そうなると、際限なく食べ過ぎに走ることにもなりかねません。それほど、バナナに含まれるトリプトファンという栄養素は、ダイエットにとって重要な成分なのです。

セロトニン自体は、経口摂取(食事)や点滴で補給することはできません。
つまり、必ずトリプトファンという形で摂取して、体内でセロトニンに変換するというプロセスを経るしかないわけですね。しかもセロトニンに合成されるさいには、ビタミンB6とマグネシウムがなければ、うまくいきません。バナナには、トリプトファン、ビタミンB6、マグネシウムの三つが豊富に含まれています。まさにバナナは、セロトニンを作るための食材といっても言い過ぎではありません。

セロトニンは食欲の抑制に働くほか、精神を安定させたり、うつ病の予防にもなります。
さらに、バナナの栄養素・ビタミンB群も、神経を鎮静化させてくれます。ですから、生理などで不安定になりやすい女性にとって、バナナは絶対不可欠の食材といえるのです。

バナナには、セロトニン同様に満腹中枢に働きかけて、食欲を抑制するヒスチジンも多く含まれています。
正確にいうと、これはヒスタミンの作用なのですが、必須アミノ酸のヒスチジンは体内でヒスタミンに変化します。ヒスタミンは満腹感をもたらすとともに、蓄積した脂肪(とくに内臓脂肪)を分解・燃焼する働きがあります。咀嚼することによっても、ヒスタミンは分泌されます。

バナナに一工夫すれば、効果倍増

バナナだけを食べても、もちろん栄養価は高いのですが、ちょっと工夫するだけで、バナナのよいところが最大限に引き出されます。それは、次のような工夫です。

  • 焼きバナナにする
  • バナナ酢にする
  • 熟して黒い斑点のあるバナナを選ぶ
  • バナナと牛乳をセットにする

バナナを焼くと、オリゴ糖が吸収されやすくなります。
そうなると、よりいっそう腸内のビフィズス菌を増やすことができます。また焼きバナナにすれば、カロリーは変わらないまま、甘みが増します。これはダイエットをしている女性の間食としては、最高ではないでしょうか?焼きバナナといっても簡単で、アルミホイルでサンドイッチし、弱めの中火で両面をほどよく焼くだけです。

バナナを酢につけるという工夫も効果的です。
とくに黒酢がオススメ。黒酢に含まれているクエン酸には、ビタミンB1のような作用があり、疲労回復に役立ちます。これがバナナの糖質を、さらに利用しやすくしてくれるのです。またクエン酸には、キレート作用といって、吸収されにくミネラルを吸収しやすくする働きもあります。バナナ酢にすれば、バナナに多いマグネシウムや、微量に含まれている鉄分や亜鉛、銅も、効率よく吸収できるというわけですね。
バナナ酢といっても簡単で、細かく切ったバナナをお皿に盛り、そこに黒酢をかけるだけです。もちろんバナナとは別に、黒酢を飲んでもよいのです。

バナナは基本的には、どのタイプでも、さして栄養価に変わりはありません。
しかし、熟して黒い斑点があるものを選ぶと、キレイなバナナよりも、8倍もの免疫力増強作用が期待できます。バナナには、もともと白血球の機能を増強する効果があり、ガンの予防・改善に役立つのです。その威力たるや、がん治療に使われている免疫増強剤よりも、効果が高いといわれています。いかにガンの撃退に役立つか分かるでしょう。こうした免疫力は、黒い斑点があるものを選べば、約8倍にアップするわけですね。

バナナと牛乳

バナナと牛乳をセットにすると、よりいっそうダイエットと健康に役立ちます。牛乳にもトリプトファンが含まれているということもありますが、バナナに不足しているビタミンB12を、牛乳によって補うことが狙いです。

こちらで書いているように、葉酸、ビタミンB6、ビタミンB12が組み合わさると、動脈硬化の原因物質であるホモシステインを撃退できます。
バナナに不足しているビタミンB12を牛乳から補えば、三つの成分がそろうため、動脈硬化の予防・改善に役立つというわけですね。

以上のようにダイエットだけではなく、がんや動脈硬化の予防にも、便秘の解消にも役立つバナナ。
ただし、注意点もあります。それはカリウムの量が、フルーツの中でもダントツに多いということ。そのため腎臓の機能が低下している人は、注意する必要があります。こういう人がバナナを食べ過ぎると、腎臓にカリウムが蓄積して、高カリウム血症になる危険があります。その点さえ気をつければ、バナナはダイエットと健康増進には欠かせない栄養源となることでしょう。

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