ゴマの栄養素

ダイエットに役立つごま

ゴマは、あんなに小さいのに、あらゆる成分がぎっしりと詰まった「栄養素の宝庫」といえます。

ゴマには、たんぱく質や脂質、炭水化物、ビタミン、ミネラル、食物繊維などがバランスよく含まれています。ですから食事にちょっと添えるだけで、栄養バランスが安定し、あなたのダイエットを有利にしてくれます。

ダイエットサプリメントを摂らなくても、ゴマを代わりに摂取すればよいのです。
たとえば鉄分やカルシウムのサプリメントを摂らなくても、ゴマを食べるだけで補うことが可能です。ゴマの栄養素なかで、ダイエットにとくに役立つと思われる成分には、以下のようなものがあります。

  • 不飽和脂肪酸 ・・・ リノール酸、オレイン酸、αリノレン酸
  • ゴマリグナン ・・・脂溶性の抗酸化物質。セサミンやセサミノールなど
  • 鉄分 ・・・ ほうれん草の5倍
  • カルシウム ・・・ 牛乳の11倍
  • マグネシウム ・・・カルシウムの吸収を助ける。トリプトファンからセロトニンを作る際に必要
  • 不溶性の食物繊維 ・・・ 便秘の解消
  • 必須アミノ酸 ・・・ トリプトファン(セロトニンの材料)、メチオニン(肝機能を高める)
  • 亜鉛 ・・・ 食欲抑制に働くレプチンの材料。アミノ酸から、たんぱく質を合成する際にも必要
  • ビタミンB1・B2 ・・・糖質と脂質のエネルギー代謝を円滑にする補酵素
  • アルギニン ・・・ 脳下垂体に働きかけて、成長ホルモンの分泌を促す

これらはゴマの栄養素の、ほんの一部です。そのほかビタミンEやビタミンB6、ビタミンA、セレン、ナイアシンなども含まれています。唯一、ビタミンCだけが含まれていないだけです。

ゴマは悪玉コレステロールを減らす

ゴマの栄養素の特徴として、不飽和脂肪酸が豊富なことが挙げられます。
脂肪は2種類に分けられ、肉類などに含まれる飽和脂肪酸と、植物油や魚油に多い不飽和脂肪酸があります。脂肪を摂りすぎると動脈硬化の危険があるというのは、肉類に多い動物性の脂肪=飽和脂肪酸です。

いっぽう、ゴマに含まれている脂肪は、健康によい不飽和脂肪酸。
血液中の悪玉コレステロールを減らす作用があります。もう少し具体的にいうと、ゴマの成分の半分が脂肪酸です。そのうちリノール酸とオレイン酸が8割を占めています。残りの2割はαリノレン酸です。αリノレン酸とオレイン酸は、善玉コレステロールを減らさずに、悪玉コレステロールだけを減らしてくれます。ただしリノール酸に関しては、善玉も悪玉も両方とも減らしてしまうという特徴があります。しかし全体としてみれば、悪玉コレステロールを減らす作用のほうが強いといえるでしょう。

不飽和脂肪酸は分子の結合が不安定(二重結合がある)なので、通常は液体の状態で存在しています。
健康によい代わりに、酸化しやすいという欠点があります。ただしゴマには、豊富な抗酸化成分が含まれているので、この欠点を補ってくれます。たとえば、ゴマリグナンやビタミンEといった抗酸化物質ですね。これらの抗酸化成分には、悪玉コレステロールの酸化を防いでくれる作用があります。

不飽和脂肪酸が、悪玉コレステロールを血液中から減らしてくれる上に、ゴマに豊富な抗酸化物質が、その酸化まで抑えてくれるのです。その結果、動脈硬化を予防して、血管をいつまでも若々しく保ってくれます。
まさにゴマは、アンチエイジングと健康長寿のための食材といえるでしょう。もちろんダイエットにも有効です。

抗酸化物質・ゴマリグナンの働き

すりゴマ

悪玉コレステロールの項で登場しましたが、ゴマの栄養素には、強力な抗酸化力をもったゴマリグナンが含まれています。ゴマリグナンは、セサミンセサミノールなど、ゴマに含まれる抗酸化物質の総称になります(セサミンがもっとも多く含まれています)。

前項では、ゴマの栄養素・ゴマリグナンには、悪玉コレステロールの酸化を抑える効果があると解説しました。

じつはゴマリグナンには、n-3系の不飽和脂肪酸と同様に、血液中の悪玉コレステロールだけを減らすという作用もあるのです。この働きが加わるために、善玉まで減らしてしまうリノール酸があっても大丈夫、と前述したわけですね。強力な抗酸化物質・ゴマリグナンの働きをまとめると、次のようになります。

  • 悪玉コレステロールの酸化を防ぐ ・・・ ゴマのビタミンEも抗酸化物質なので、効果倍増
  • 悪玉コレステロールだけを減らす ・・・ 善玉のほうは減らさない
  • 小腸からのコレステロールの吸収を抑える ・・・ そもそも過剰に取り込まれない
  • 肝機能の改善 ・・・ 脂溶性の抗酸化物質なので、肝臓で効力を発揮する

* なおLDLコレステロール、イコール悪玉コレステロールとよくいわれますが、厳密にはそうではありません。
こちらで解説しているように、LDLコレステロールは健康に不可欠の成分です。これが血液中に増えすぎると、活性酸素によって酸化される確率が高くなります。いったん酸化されてしまうと、周りの細胞まで連鎖反応で巻き込んでいくために、一転して悪玉コレステロールに変わってしまうのです。

ゴマの栄養素・ゴマリグナンは、そもそも腸管からのコレステロールの吸収を抑制してくれます。
そのためコレステロールが多い食材を摂るときは、ゴマと一緒に食べればよいことになります。

そのほかゴマリグナンは脂溶性なので、水溶性の抗酸化物質であるビタミンCやポリフェノールの力が及ばない場所で、効力を発揮します。たとえば水溶性の抗酸化物質は、肝臓まで入っていけません。しかし脂溶性のゴマリグナンは、肝臓にまで入っていって、そこで抗酸化能力を発揮してくれるのです。こういったことから、アルコールの分解を促進する働きがある、といわれるわけですね。これはゴマリグナンのなかでも、とくにセサミンの働き。飲酒前に少量のゴマを食べておくと、悪酔いを防げます。また二日酔いも予防してくれます。

ゴマには必須アミノ酸のメチオニンも含まれていて、この成分も肝機能を高めてくれます。
悪玉コレステロールを減らす作用や、その酸化抑制もそうですが、ゴマは、いろいろな成分が複合的に働いて、一つの効果を現す栄養素といえますね。

そのほかのゴマの栄養素

冒頭に掲げたように、ゴマの栄養素には、まだまだダイエットに有効な成分がたくさんあります。
たとえば、ゴマに含まれる植物性の鉄分(非ヘム鉄)は、女性に多い鉄欠乏性貧血の改善に役立ちます。
体内に鉄分が少ないと、ヘモグロビンが作られにくくなり、呼吸で取り込んだ酸素と結合できなくなります。
そうなると全身の細胞で、脂肪や糖質を燃焼できなくなって、それらが脂肪細胞に蓄えられやすくなります。

鉄分が少ないと、有酸素運動をしても、効率よく脂肪を燃焼できなくなるということですね。
そのため鉄分が多いゴマは、ダイエットで痩せるためには、絶対不可欠ともいえる栄養素なのです。そのうえゴマには、鉄分をヘモグロビンと結合させる仲介役のも含まれています。ただし、ゴマにはビタミンCが少ないので、別の食材でビタミンCを補ったほうがよいでしょう。ビタミンCを一緒に摂ると、鉄分の吸収率が高まるからです。(参考 →ダイエットに必要な栄養素

ゴマ団子

そのほか特筆すべきゴマの栄養素として、トリプトファンがあります。これは必須アミノ酸の一種で、食事から摂取しないと体内で作られないアミノ酸。

トリプトファンは肉類に多く含まれるので、ダイエットのために肉を制限している女性は不足しがちに。ゴマのほかには、乳製品や大豆、バナナにも含まれています。

トリプトファンは体内に入ると、セロトニンという神経伝達物質に変化します。
セロトニンは精神を安定させるために不可欠で、満腹中枢を刺激して、食欲を抑える効果があります。そのため、体内でセロトニンが作られる量が少なくなると、食欲を抑制できなくなり、食べ過ぎに走ってしまうことに。セロトニン自体は食事から摂取できないので、原料であるトリプトファンとして摂り込む必要があります。

ただし、トリプトファンからセロトニンに変化するさいには、マグネシウムビタミンB6の協力が必要です。
ゴマには、この三つの成分がしっかりと含まれています。ということは精神を安定させ、食欲を抑制したい女性は、ゴマを食べないと大きな損失になるということですね。ちなみに果物のバナナにも、この三つの成分が含まれています。月経不順や月経前症候群(PMS)による不安感に悩んでいる人に、ゴマは特にオススメ。

今、精神の安定作用ということを述べましたが、ここに焦点を当てても、ゴマは素晴らしい効果を発揮します。ダイエットでストレスが多い女性は、ストレスが軽減されます。メチオニンは抗うつ剤としても利用されるほどで、カルシウムマグネシウムはイライラを鎮めてくれます。これらの相互作用により、精神的に安定することができます。そのほかゴマには、精神のビタミンといわれるビタミンB1も含まれています。
ゴマの栄養素のひとつ亜鉛は、食欲を抑制してくれるレプチンという生理活性物質を増やす働きがあります。亜鉛が不足してレプチンが作られなくなると、それだけ食欲抑制が効かなくなるので、食べ過ぎの元に。

以上のようにゴマには、ダイエットに必要な成分が、ぎっしりと詰まっています。
私は食事や間食のときに、ゴマを少量食べています。よく噛むことで、脳内にヒスタミンを多く分泌させるので、その点からも食欲抑制に役立ちます。なお料理に加えるさいは、すでに砕かれている「すりゴマ」のほうが吸収率がよくなります。「黒ゴマ」にすると、抗酸化成分のポリフェノールが加わります。

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