昆布の栄養素

ダイエットに役立つ昆布

昆布は、「わかめ」や「もずく」と同様に海藻であり、褐藻類に属します。海洋で育った昆布は、微量ミネラルがたいへん豊富な食材といえます。

普段不足しがちなミネラルを補うなら、マルチミネラルを摂らなくても昆布で十分です。「とろろ昆布」なら、ちょっとつまんで手軽に食べれます。海の贈り物・昆布の栄養素には、以下のようなものがあります。

  • アルギン酸 ・・・ 水溶性食物繊維。悪玉コレステロールを低下させる。血圧を下げる
  • フコイダン ・・・ 水溶性食物繊維。血液をさらさらにする。がんを死滅させるなど多数の効用
  • マグネシウム ・・・ 心臓と血管の動きをしなやかにする
  • カリウム ・・・ 体内から塩分(ナトリウム)を減らす
  • カルシウム ・・・ 牛乳の6倍以上。神経を鎮静化させる
  • ヨウ素(=ヨード) ・・・ 甲状腺ホルモンの原料。新陳代謝を促す (摂りすぎに注意)
  • グルタミン酸 ・・・ 昆布のうまみ成分。脳を活性化させる

そのほか昆布の栄養素には、鉄分や銅、亜鉛といったミネラルも含まれています。
これらはダイエットで痩せるためには、不可欠の成分。鉄と銅は、貧血の改善に役立ちます。亜鉛は、食欲を抑制するレプチンを増やしたり、代謝に必要な酵素の原料になります。

昆布のアルギン酸

昆布の栄養素のひとつアルギン酸は、水溶性食物繊維です。
食物繊維のページで解説しているように、水溶性食物繊維は胃で水分を吸って、何倍にも膨れ上がる性質があります。そのため、ある程度の満腹感が得られ、食欲の抑制に役立ちます。また小腸で、ぶどう糖を抱え込むため、血糖値の上昇を緩やかにしてくれます。

急激に血糖値が上昇すると、膵臓からインスリンが大量に分泌されます。
そうなると、あふれたぶどう糖は、脂肪細胞に格納されてしまいます。しかし昆布を摂取して、ゆるやかに血糖値を上昇させれば、筋肉細胞がその場で消費できるようになるので、脂肪に蓄積されにくくなるのです。

そのほか昆布のアルギン酸は、小腸で、脂肪やコレステロールを吸着して排泄してくれます。
それ以外にも、小腸で胆汁という成分も吸着して排出します。胆汁酸は肝臓で、悪玉コレステロールを原料として作られています。肝臓から分泌された胆汁は、小腸で脂肪の消化に働きますが、役目を終えると排泄されずに、小腸壁から再吸収されます。そして再び肝臓に戻って、胆汁酸として再合成されます。このようにしてリサイクルすることによって、何度も同じものを有効利用しているわけですね。

アルギン酸による胆汁の排出

ところが小腸内で、昆布のアルギン酸が胆汁を吸着して排出してしまうので、肝臓では胆汁酸が不足することになります。

そこで血液中から、悪玉コレステロールを持ってきて、そこから新たに胆汁酸を作る必要がでてきます。

つまり、アルギン酸が胆汁を吸着して排泄するため、血液中の悪玉(LDL)コレステロールが、どんどん減っていくというわけですね。その結果、動脈硬化の予防効果が期待できます。

そのほかアルギン酸には、余分な塩分を排出して、血圧を下げる効果もあります。
昆布のアルギン酸は、はじめはカリウムと結合しているのですが、小腸で分離してアルギン酸だけになります。その後、小腸で余分なナトリウムと結合して、アルギン酸ナトリウムとなって排泄されるのです。つまり、塩分を多く摂っても、アルギン酸と結合して排出されるということですね。

もともとアルギン酸と結合していたカリウムにも、ナトリウムを排出する作用があるので、相乗効果となります。塩分が多めの人は、昆布を食べればナトリウムが排泄されて、高血圧を予防できるというわけです。

昆布の栄養素・フコイダン

昆布には、アルギン酸と同様に、水溶性食物繊維であるフコイダンという栄養素も含まれています。
フコイダンは昆布の”ぬめり成分”で、ほかの褐藻類(もずく、わかめなど)にも含まれています(もずくに最も多い)。昆布の栄養素・フコイダンには、以下のような健康増進作用があります。

  • 抗血液凝固作用 ・・・ 血液をさらさらにする
  • 血中脂質を低下させる (コレステロール値、中性脂肪値) ・・・ ダイエットに有効
  • 血糖値を低下させる ・・・ ダイエットに有効
  • 血圧の上昇を抑える
  • 免疫力の活性化 ・・・ ガンの自滅(アポトーシス)を促す。NK細胞の活性化
  • 肝機能の改善・強化 ・・・ アルコール性肝炎や肝ガンを予防
新鮮な昆布

そのほかフコイダンには、胃粘膜を保護して、胃の炎症や潰瘍を修復する働きや、抗菌・抗酸化作用もあります。
抗がん剤や放射線の副作用を抑制する効果もあり、フコイダンといえばガン退治の食材として有名。

緑茶にも、ガンの発生と増殖を抑制する働きがあります。
ですから昆布と緑茶を一緒に摂れば、がんの予防に相乗効果が期待できそうです。しかも、緑茶の水分を昆布の水溶性食物繊維が吸うため、お腹のなかで何倍にも膨れ上がり、ダイエットの食欲抑制にも役立ちます。

上の表で、血中脂質や血糖値を低下させる働きは、アルギン酸と同様です。
水溶性食物繊維であるフコイダンの”ぬめり成分”が、吸着して排出してくれるのです。アルギン酸とフコイダンという二つの成分が、血液中の中性脂肪やコレステロールを減らし、血糖値を低下させてくれるわけです。昆布がダイエットに有効な食材ということは明白ですね。

昆布のヨウ素

昆布にはもうひとつ、見逃せない栄養素が含まれています。それがヨウ素(=ヨード)です。
ヨウ素は甲状腺ホルモンの原料であり、あらゆる食品中、昆布がトップレベルの含有量となっています。
甲状腺は、喉ぼとけのすぐ下にある内分泌線。そこから分泌される甲状腺ホルモンは、交感神経を活発にして新陳代謝を高めます。全身の細胞に作用して、エネルギーの使用量を高めるのです。つまり甲状腺ホルモンが活発になれば、基礎代謝量がアップすることになります。

ですから、ある程度、甲状腺ホルモンが活性化していたほうが、消費カロリーが増えるのでダイエットで痩せるには有利です。しかしヨウ素を取りすぎると、今度は甲状腺疾患を引き起こしてしまうため、注意が必要です。いくら昆布が消費カロリーアップに役立つからといって、食べ過ぎは禁物ということ。甲状腺にヨウ素が過剰に蓄積し、甲状腺がんや自己免疫疾患(橋本病など)の原因になる危険があります。

反対に不足しても、甲状腺に異常が出る原因になるので、「適量のヨウ素を摂取する」ことが大切です。
ヨウ素は必須ミネラルの一つであり、健康的に生きていく上では欠かせません。

とろろ昆布

なお昆布の栄養素・ヨウ素は、放射線ヨウ素による甲状腺異常に効果があるといわれています。

体内のヨウ素の7、8割は甲状腺に集まってきて、蓄積されます。
これが食品からのヨウ素ならいいのですが、放射線ヨウ素が甲状腺に集まってしまうと、甲状腺ガンの原因になります。

つまり、とろろ昆布などから、健康によいヨウ素を摂取して、先に甲状腺に蓄積させておくということですね。
そうすれば、外部から放射線ヨウ素が体内に入ってきても、蓄積する場所がないため、排出されるわけです。

昆布と組み合わせるとよい食材

昆布に豊富に含まれる、微量ミネラルの吸収率を高めるには、納豆との組み合わせが有効です。
納豆には、体内に吸収されにくいミネラルを、吸収しやすくする働きがあるからです。それは、あの”ねばねば”に含まれる納豆菌の作用です。

納豆にはミネラルが少ないという欠点がありますから、お互いの欠点を補えるというわけですね。
ですから、この二つの食材を組み合わせて、「こんぶ納豆」として食べれば、よりいっそう昆布の栄養素を体内に吸収することができます。

そのほか、黒酢に含まれるクエン酸の「キレート作用」を利用する方法もあります。キレート作用とは、ミネラルを挟み込んで、吸収しやすくする働きのこと。昆布に酢を掛けるといいかもしれませんね。

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