有酸素運動は脂肪燃焼の決め手

有酸素運動後に汗をぬぐう女性

有酸素運動が脂肪燃焼に有効だということは、ほとんどの人が知っていると思います。

有酸素運動とは、軽く息が弾むようなエクササイズ。ウォーキングや軽いジョギングが代表的ですね。そのほかサイクリングや踏み台昇降、ステッパー、ちょっとした家事、入浴も有酸素運動になります。

その反対に無酸素運動とは、100メートルダッシュや筋トレなど、乳酸がたまるようなものをいいます。

なかには、このように思ってる人がいるかもしれません。
有酸素運動の消費カロリーは微々たるものなので、やるだけの価値はない」と。甘いケーキ1個を食べてしまえば、せっかくの運動が水の泡になってしまうと考えるわけです。

そのほか、「有酸素運動は20分以上継続しないと、脂肪が燃焼を始めないのでダイエットには意味がない」という意見も聞きます。これらは一見もっともらしく聞こえますが、いずれも間違った解釈です。なぜなら、いずれの考えも、有酸素運動によるダイエット効果の一側面しか見ていないからです。

有酸素運動は、運動中の脂肪燃焼だけが仕事ではありません。
有酸素運動は、4つの観点からダイエットに有効なエクササイズです。

  • 運動中に脂肪を燃焼できる
  • 消費カロリーを増やせる
  • 体内サイクルの回転が速まる
  • ストレスを解消できる

有酸素運動中の脂肪燃焼効果

まずは、有酸素運動を行なっている最中の脂肪燃焼について見ていきましょう。
一般的に言われていることは、「有酸素運動を開始してから15~20分までは、血中の糖質や脂質が使われ、その後、ようやく体脂肪を分解してエネルギー源にする」というプロセスです。

でも実際には、20分をさかいとして、急にエネルギー源が変わるのではありません。
運動の開始時から、体脂肪も少しですが燃えています。ですから「時間が経過するとともに、徐々にエネルギー源の比率が脂肪のほうに移っていく」という表現が正解です。結局は、体脂肪をたくさん燃焼するためには、やはり20分以上は有酸素運動を続ける必要があるということになります。

ですから、ダイエットのために有酸素運動で脂肪を燃焼させる場合、20分で終わってしまっては、ほとんど体脂肪は減っていないことに。30分とか40分、さらには1時間というように、長い時間続けなければならないことになります。でもこれでは、ダイエットのための有酸素運動はかなり辛いものになります。ストレスもたまってしまいますよね?

有酸素運動は、20分以上続けないと意味がないと考えていると、運動することがおっくうになってしまいます。そして、やがて続かなくなるというコースを辿るのではないでしょうか?しかし有酸素運動で脂肪燃焼するためには、必ずしも連続で20分以上行う必要はありません。

たとえば、「10分間のこま切れの運動」を1日に何回かに分けて行なっても、長時間連続で有酸素運動をすることと、ほぼ同様の脂肪燃焼効果がある」と言われています。1日の合計の運動時間が20分を超えるようにすれば、ちゃんと体脂肪は燃えてくれるというわけですね。

* 有酸素運動で脂肪を燃焼させるには、まず筋肉をつけることが大前提です。

有酸素運動は消費カロリーを増やす

有酸素運動が消費するカロリーは微々たるものです。
だからといって、「有酸素運動で脂肪を燃焼して痩せることはむずかしい」と断定するのは早計です。

天秤

ここで一度、ダイエットで痩せる大原則を思い出してみましょう。「摂取カロリー < 消費カロリー =痩せる」でしたよね?
1日の摂取カロリーを消費カロリーよりも低く抑えさえすれば、足りないカロリーの分は、体にある脂肪を分解して燃焼していくわけです。

ということは有酸素運動によって消費カロリーを増やしたことで、上記の公式を実現できれば、体脂肪が減っていくはずですよね?
たとえ運動中の脂肪燃焼が、それほどではなくても。

有酸素運動というと、「運動中に脂肪を燃焼するもの」と考えがちですが、それだけではないわけです。
ですから1日わずか20分程度のウォーキングでも、そのことによって1日全体の消費カロリーが摂取カロリーより、わずかでも上回れば、「脂肪の燃焼がはじまる」ことに。べつに運動中に脂肪が燃えなくてもいい、という考えです。

太るか痩せるかは、このように1日全体の摂取カロリーと消費カロリーの収支の結果。
こう考えると、ちょっとした空き時間に少しでも消費カロリーを増やすために、こま切れでも歩きたくなってきませんか?有酸素運動はウォーキングやジョギングだけではありません。主婦の方なら、家事もカロリーを消費することは言うまでもありません。

ただし、食べ過ぎないことが大前提です。
有酸素運動だけに任せるのではなく、食事面でも咀嚼を活用するなどして、上手に食欲を抑制して腹八分目を目指し、”ある程度、摂取カロリーを抑えておく”ことがポイントになります。消費と摂取の天秤がつりあうくらいまでは、しっかり食べておき、最後の一押しを有酸素運動で達成するというイメージになります。

有酸素運動は、体内サイクルの回転を速める

有酸素運動は、運動中の脂肪燃焼効果や、消費カロリーをわずかに増やすだけではありません。
ダイエットの食事と運動」で述べているように、有酸素運動には「消化・吸収・代謝・排泄」という4つのサイクルを加速させる役割もあります。食事でしっかりと栄養補給すると、この4つのサイクルが回転を始めます。

しっかりと食べた上で有酸素運動をすれば、「消化・吸収・代謝・排泄」という一連のサイクルの回転を、さらに速めることが可能になります。血行がよくなれば、あなたの筋肉細胞まで、すばやく酸素と脂肪酸が運ばれていきます。また代謝が活発になれば、細胞内で脂肪を素早く燃焼できるので、脂肪の燃焼効率が格段にアップします。

脂肪の燃焼は、運動していないときでも行われていますが、その効率がよくなるということです。
つまり、有酸素運動によって、1日全体の基礎代謝がわずかながらアップするというわけですね。

そのほか、有酸素運動を習慣にすると、運動中に心拍数が上昇した状態がつづくために、心臓が鍛えられます。そうなると全身に向けて、速やかに血液を送り届ける「ポンプとしての機能」が向上することに。また、肺が1回の吸い込みで取り込む酸素の量=肺活量も増えていきます。

これらの高まった能力は、運動以外でも続いていくはずです。その結果じっとしているときでも、全身の細胞まで、すばやく酸素や脂肪酸を送り届けることができるようになります。

また有酸素運動を習慣にすると、その場ですばやくエネルギーを作り出す必要性から、そういった能力も高まっていきます。そのため、運動以外のじっとしているときなどでも、各細胞で効率よく、酸素と脂肪酸が燃焼できることに。各細胞まで速やかに酸素や脂肪酸が届き、細胞内ですばやく燃焼できる・・・・・有酸素運動は、こうした「脂肪燃焼のプロセス」を、普段でもすばやく行える体質にしてくれるわけですね。

有酸素運動はストレス解消に役立つ

大きく伸びをする女性

有酸素運動を行うと適度に汗をかきますし、爽快感があります。
体の緊張がほぐれ、嫌な記憶も薄らいでストレス解消になります。気分が爽快になるのは、酸素をいっぱい取り込んだ結果、
リラックスをつかさどる副交感神経が優位になるため。

そのほか単調な運動が、脳内にセロトニンという物質を増やすからでもあります。セロトニンには精神を安定させる作用があり、食欲を抑制する働きもあります。
女性ならセロトニンには、月経不順や月経前症候群(PMS)を改善する効果が期待できます。

ストレス解消という観点から言えば、長時間のウォーキングはタブーです。有酸素運動をイヤイヤながら長時間行なっていると、ストレスホルモンのコルチゾールが分泌されてきます。
すると、大切な筋肉がどんどん分解され、それが脂肪に変換されてしまいます。

でも短時間のこま切れの有酸素運動なら、むしろ気分転換になるので、ストレス解消に役立ちますよね?
これならコルチゾールが分泌される心配はありません。ストレスを減らすとコルチゾールのかわりに、脂肪を燃焼する働きがあるDHEAというホルモンの分泌が増えるといわれています。自分のペースで無理なく行う有酸素運動こそが、ダイエットで痩せるためのコツといえそうです。

次回は、20分待たなくても、運動の最初から脂肪を燃焼する方法について解説します。
10分程度の細切れ運動もすばらしいですが、1回にまとめて行いたい人は必見です。

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