グリコーゲンとは?

グリコーゲンとは、ブドウ糖を体内に貯蔵しやすい形に変換したものであり、筋肉と肝臓にある。
食事のあと、血液中にあふれたブドウ糖は、インスリンの分泌により、まずは筋肉細胞に取り込まれ、ミトコンドリア内で消費される。しかし、たいていは、すべてのブドウ糖を消費しきれずに余ってしまう。
そこで余った分に関しては、グリコーゲンタンクというブドウ糖の一時保管所に蓄えられる。食事で余った分をタッパに入れて、冷蔵庫で保存するようなイメージになる。

グリコーゲンタンクに入りきれないほどのカロリーを摂取した場合、余分なブドウ糖は中性脂肪に変換され、脂肪細胞に蓄えられる。「甘いものを食べ過ぎると太る」というのは、グリコーゲンタンクの容量をオーバーしたときにいえる。ちなみに貯蔵量に関しては、筋肉内のグリコーゲンタンクは約1000kcla、肝臓内のグリコーゲンタンクは約350kcalを蓄えることができる。

筋肉内のグリコーゲンタンクは、血糖値の維持には使われずに、もっぱら筋肉を動かすために使用される。これは外敵が襲ってきたときに、すぐに闘ったり、逃げたりするために必要なこと。もし筋肉内にエネルギーの蓄えがないと、いざというときに全く動けず、命にかかわることになる。もちろん今の時代に、なかなかそのような状況にはならないが、大昔の人間には猛獣という外敵がいた。その名残りともいえる。

肝臓の位置

いっぽう肝臓内のグリコーゲンタンクは、食後少しずつ分解され、血糖値の維持に役立てられる。食後数時間は何も食べなくても空腹感がないのは、このため。血糖(グルコース)は、脳と赤血球のエネルギーとして使われる。

グリコーゲンをブドウ糖に分解するのは、膵臓から分泌されるホルモンのグルカゴン。反対にグリコーゲンタンクに貯蔵するのは、同じく膵臓から分泌されるインスリンの働きによる。

肝臓のグリコーゲンタンクは、完全に枯渇するまでに13時間ほど持つ。
たとえば夜7時に、夕食でタンクを満タンにしたとすると、朝8時には完全に枯渇することに。肝臓のグリコーゲンの残量が少なくなってくると、血糖値が下がり、脳内ではドーパミンがさかんに分泌される。その結果、摂食中枢が刺激され、空腹感が出てくる。

過度な食事制限の危険性

食抜きダイエットをすると、グリコーゲンタンクが底を突く前に貴重な筋肉が分解され、それがブドウ糖に変えられてエネルギー源となる。これを糖新生という。ポイントは、完全にグリコーゲンタンクが底をついてから、筋肉が分解されるのではなく、ある程度余裕を残した段階で糖新生に入るということ。つまり長めの睡眠を取る人や、夕食を早めに済ませる人は、朝方に筋肉が分解されている可能性がある。

普通の睡眠を取っていてさえ、筋肉が分解される危険があるのに、朝抜きダイエットをすれば、午前中はずっと筋肉が分解され続けることになる。毎日このようなことを続けていれば、どんどん筋肉量が減っていって、基礎代謝が落ちていく。とくに女性は、もともと筋肉量が少ないために、いったん落ちた筋肉を再度つけるには、かなりの努力が必要になる。

食抜きダイエット以外でも、1食分のカロリーが低すぎる場合、すぐに肝臓内のグリコーゲンタンクの蓄えが尽きてしまう。たとえば350kcal入るタンクに、200kcalしか入れなければ、13時間といわず、もっと早くに糖新生に入ってしまう。そうなると貴重な筋肉がどんどん失われ、基礎代謝量が低下することは前述したとおり。
そのため、低カロリー食品や置き換え食品には、気をつける必要がある。

このように仮に肝臓のグリコーゲンタンクが底をついても、脳と赤血球にエネルギーを供給するために、筋肉からブドウ糖を作り出すシステムが、体には備わっている。このようなシステムが用意されているのは、脳と赤血球の通常のエネルギー源が、ブドウ糖のみであるため。ちなみに飢餓状態がさらに進行すると、非常時のシステムであるケトン体が、ブドウ糖に代わるエネルギー源となる。

* もっと詳しく → お腹が空いてから食べる工夫、 カロリー不足は筋肉を減らす、 運動と脂肪の蓄積

ワンポイントアドバイス
食事をすると、まずはグリコーゲンタンクを満タンにしようと働きます。
つまり、もっとも太りにくい食べ方は、筋肉と肝臓のグリコーゲンタンクを少なくしてから食事をすることです。たとえば、くたくたになるまで筋トレをしてから食事をすれば、まずは筋肉内のグリコーゲンタンクにブドウ糖が補充されます。1000kcalも入りますから、食事前に激しい筋トレをしておけば脂肪にたまりづらくなります。

同様に空腹を感じてから次の食事を摂るようにすれば、肝臓のグリコーゲンタンクに、優先的にブドウ糖が貯蔵されます。反対に、食事の間隔が狭く、いつも間食を摂って何かを口にしている人は、なかなか肝臓のグリコーゲンが減っていかないことに。そういう人は、食べたもののほとんどがグリコーゲンから溢れ出て、脂肪細胞として蓄えられやすくなります。このようにグリコーゲンタンクを意識することによって、理性的なダイエットが可能になります。

ただし以上の方法は、ブドウ糖に関してのみ有効な方法。
脂肪分を摂りすぎると、ダイレクトに脂肪細胞に蓄えられてしまうので、その点は注意する必要があります。

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