ホルモンとは?

ホルモンとは、体内の連絡系統のひとつ。
脳はすべての情報の司令塔であり、とくに間脳の視床下部(*脚注)は、自律神経とホルモン系の管制塔。

視床下部からの指令を伝える手段には、神経系とホルモン系がある。
まず、すばやい伝達は神経系によって行われる。神経系の特徴としては、電気信号が神経繊維を伝わっていくので、すばやく情報が届く。それに対して、ゆっくりとした持続性のある効果を発揮するには、ホルモン系のほうがすぐれている。ホルモンの特徴は、血液に乗って、ゆるやかに全身に指令を届ける点にある。

ホルモンの司令塔・視床下部

ホルモンは、間脳の視床下部の下にぶら下がっている、小さな下垂体から分泌される。そのほか、全身に分布する内分泌器官からも分泌される。ホルモンが作用する相手は、ホルモンごとに決まっており、これを標的器官という。なかには甲状腺のように、特定の標的器官が存在せず、全身の細胞に広く作用するホルモンもある。

内分泌器官には、脳下垂体前葉(下垂体の前半分)、松果体、甲状腺、副甲状腺、胸腺、膵臓、副腎(皮質、髄質)、卵巣(or精巣)がある。

このうち脳にある下垂体前葉からは、6種類のホルモンが分泌される。すなわち甲状腺刺激ホルモン、卵胞刺激ホルモン、黄体形成ホルモン、副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)、成長ホルモン(HGH)、プロラクチンの六つ。

脳下垂体前葉から分泌される「刺激ホルモン」は、甲状腺や副腎皮質、性腺といった内分泌腺に作用し、ホルモンを分泌させるように働きかける。つまり「ホルモンによって、ホルモンの分泌量をコントロールする」という二重の手続きを踏むことに。これにより、いっそう緩やかで持続的な作用が可能になる。

血液中に流れているホルモンの量が過剰になると、脳の視床下部がそれを感知して、自動的にホルモンの量が調整される。これを負のフィードバックという。

ダイエットに関係する内分泌器官には、脳にある下垂体前葉松果体、喉ぼとけのすぐ下にある甲状腺、腎臓の上に乗っている副腎(皮質と髄質)、インスリンやグルカゴンを分泌する膵臓(すいぞう)、女性ホルモンのエストロゲンやプロゲステロンを分泌する卵巣(男性の場合はテストステロンを分泌する精巣)がある。
ちなみに松果体は脳の中心部にあり、メラトニンという睡眠を促すホルモンを分泌する。昼に少なく、夜になると多く分泌され、眠気をもたらす。寝る直前にメラトニンが多いほど、深い眠りが得られる。それによって成長ホルモンの分泌が増加すれば、より多くの脂肪を燃焼できる。

脳の下垂体前葉から分泌されるホルモンのなかで、有名なものとしては成長ホルモン(HGH)がある。
これは睡眠の初めの3時間や、筋トレの直後に多く分泌される。筋肉を作るとともに、脂肪を分解する作用がある。そのためダイエットで痩せるには、いかにこの成長ホルモンを多く分泌させるかが、成功の鍵となる。

脳下垂体から分泌される副腎皮質刺激ホルモンの連絡を受けて、副腎皮質からは、筋肉を分解して血糖値を上げるコルチゾール(糖質コルチコイド)が分泌される。そのほか、血液中のナトリウム量を増加させて血圧を上げる「鉱質コルチコイド」も分泌される。この二つによって、慢性的なストレス反応が引き起こされる。
そのほか副腎皮質からは、ダイエットの味方・DHEA(性ホルモンの元)も分泌される。

* 視床下部は脳の中心にあり、ちょうど両耳のラインを結んだ中間あたりに存在する。

ワンポイントアドバイス
ストレス反応に関しては、脳の視床下部が大元ではなく、大脳辺縁系という感情と本能を司る部分が発信源になります。たとえば災害にあったときなどは、まず大脳辺縁系が興奮。それがストレス情報となって、視床下部に伝わります。大脳が感じたストレスを、視床下部が忠実に実行しているだけなのです。

ストレスに対処するには、血糖値や血圧、心拍数を上げて、脳に対してブドウ糖を大量に送らなければなりません。また、急激に筋肉を動かせるように準備する必要があります。ストレスホルモンは悪者のように捉えられがちですが、このように人間が生きていく上で必要不可欠なものです。

そのほか視床下部が発信源となって、ホルモンが分泌されることもあります。
たとえば二次性徴のように、思春期になると視床下部から自動的に起動します。性に関するスイッチが入るわけです。そうすると、卵胞刺激ホルモンや黄体形成ホルモンが活発になり、卵巣や精巣に働きかけます。その結果、性腺から性ホルモンが盛んに分泌され始めるのです。

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